QX56は、日産の高級ディビジョンであるインフィニティブランドのTOP OF SUVとして誕生し、2代目となる今回のフルモデルチェンジにおいて、全てにおいてライバルを凌駕すべき日産が本気になったことがうかがい知れるモデルとなっている。 メカニズム面においては、インフィニティ初の油圧ボディモーションコントロール「HBMC」を採用したことが大きく話題となっている。まず本来コーナリング時の車体の傾き（ロール）を抑える役目をするスタビライザーがこの車には存在しない。4輪に油圧シリンダーを設置し、余圧を吸収するアキュムレーターを設置することで、こっちが伸びても向こうは縮まないと言ったように、ロールを抑制する。つまりスタビライザーと同じ働きを油圧によって作り出すことにより、SUVを超えた乗り心地の良さを実現している。 ボディサイズは、全長5291×全幅2030×全高1925mm、ホイールベース3076mm。初代と比較して、35mm長く、28mmワイド、96mm背が低い。 レザーやウッドをふんだんに使用したキャビンは、ラグジュアリーな雰囲気を放つ。乗車定員は7名で、オプションでセカンドベンチシートの8人乗りもチョイス可能。大型化したボディの効果で、サードシートの足元はゆとりが向上しているのが特徴的。 さらに装備面においては、8インチモニター、HDDナビゲーション（本国専用）、日産おなじみのアラウンドビューモニター、BOSE製13スピーカーオーディオ、i-Podインターフェイス、Bluetoothハンズフリーフォンシステムを標準装備とし、オプションで、セミアニリンレザーシート、後席用DVDエンターテインメントシステム、デュアル7インチモニターなどが用意される。 エンジンは新開発VK56VD型直噴5.6リッター V8「VVEL」で最高出力400ps、最大トルク57.1kgmと、先代比でパワーは25％向上。7速ATを組み合わせることにより燃費は10％以上改善されており、街乗りで5.9km/L、高速においては実に8.5km/Lと、5.6リッターエンジンとして考えると非常に優れた燃費と言える。駆動方式はFRとAWDで、AWDは新開発のオールモード4×4を採用する。 とにかく、スタイル、メカニズム、インテリアと日産の威信にかけて打倒レクサスを目指した結果、全てが素晴らしいQX56は、「買い」のSUVと言えよう。